男性不妊と薬

持病の薬を始め、家庭用常備薬や体力増進のための保健薬など、皆さんそれぞれに“いつも飲んでいる薬”があることと思います。しかし、そういった薬の中には男性不妊を招く可能性がある薬も存在することをご存知でしょうか。子どもを希望している男性はもちろんのこと、共に頑張っているパートナーの女性も、「知らずにいつも飲んでいた…」なんていうことのないよう、妊活知識のひとつとして知っておきましょう。

男性不妊の原因となる薬1「抗うつ薬」

うつ病の治療に使われる抗うつ薬(SSRI)は元々、性欲低下やEDといった副作用があると言われていますが、加えて、精子のDNA損傷を招き、受精能力を低下させる恐れがあるというリスクも報告されています。薬剤名はパキシル・ルボックス・デプロメール・ジェイゾロフト・レクサプロです。いずれも代表的な抗うつ薬で、日本はもとより世界中で使われています。そのため現在服用中の方もたくさんいらっしゃることと思いますが、治療のためにどうしても必要というケースもありますから、決して自己判断で中断せずに担当医に相談するようにしましょう。

男性不妊の原因となる薬2「痛風治療薬」

生活習慣病の一種である「痛風」は体内に溜まった尿酸が結晶となって関節痛を引き起こす病気です。主に栄養バランスの乱れた贅沢な食生活が原因となって発症し、その名の通り「風が吹いても痛い」と言われるほどの激しい痛みを伴います。痛風と聞くと大半の方は中高年が罹る病気とイメージされますが、近年では食の欧米化や運動不足といったライフスタイルの問題から20代、30代の男性患者が増えつつあり、妊活中の世代も決して他人事ではありません。
痛風の治療では痛風発作を予防する目的で「コルヒチン」という薬剤が処方されます。ところがコルヒチンにはその副作用として精巣への毒性、精子への影響、胎児奇形の可能性が指摘されています。

男性不妊の原因となる薬3「角化症治療薬」

かかとの角質が厚く硬くなって乾燥してヒビ割れたり、ヒビ割れから血が滲んで痛みを伴ったりした経験はないでしょうか。これは角化症と呼ばれ、主に外的刺激や乾燥によって引き起こされます。この角化症治療薬の「チガソン」は動物実験において精子形成能に異常を招くことが、ヒトにおいては乏精子症が報告されており、男性が使用する場合は使用中の避妊、および、使用後最低でも6ヶ月間の避妊が必要とされています。女性の服用についても胎児奇形の可能性が指摘されており、妊活中はご夫婦ともに使用を避けるべき薬です。

男性不妊の原因となる薬4「育毛剤」

男性型脱毛症(AGA)治療薬の「プロペシア」や「アボルブ」は高い育毛効果が求められている反面、副作用として男性ホルモンを抑制し、精子数や精液量の減少を招くことで知られています。少し前までは使用をやめれば問題ないと思われていましたが、最近になって使用後数年経っても精子の状態が改善されないというケースも報告されており、子どもを希望する男性は安易に使用することがないよう注意したいものです。
詳しくは以下の情報ページをご覧ください。
→男性不妊と育毛剤

男性不妊の原因となる薬5「抗ガン剤」

抗ガン剤(抗悪性腫瘍薬)の「サリドマイド」「レナリドミド」「タミバロテン」「フルダラミン」「シクロホスファミド」「メルファラン」はいずれも精子の数や運動率の低下、奇形精子の増加、急性の無精子症といった副作用が報告されています。投与をやめた後、自然に回復するケースは多いようですが、そのまま精子が回復しないケースもありますので、子どもを希望している男性は抗ガン剤治療の前に精子の凍結保存を検討することをお勧めします。
なお、抗ガン剤治療後は1年から2年ほど避妊することが推奨されています。

男性不妊の原因となる薬6「その他」

抗リウマチ薬の「アラバ」や抗ウイルス薬の「レベトール」「バリキサ」なども精子の形成に影響を及ぼす可能性があるため、子どもを希望する男性は服用を避けたほうが良いと言われています。もちろんいずれも病気の治療のために欠かせない薬ですから自己判断で中断したりはせずに、担当医に代替の薬や治療法がないか相談するようにしましょう。

服用前に妊活中であることを伝えて

最近では、市販の鎮痛剤や風邪薬に処方されている成分も長期の服用により男性不妊のリスクがあると指摘されています。しかしまだ研究段階であって医学的に明確にはされていないため、必要以上にナーバスになるのはやめましょう。体がつらくて苦しいのに無理やり薬を飲まないというのも、それはまた健康上問題であり、決して妊娠に良い影響を与えるものではありません。
最も大切なのは「薬の中には男性不妊を招くものがある」と覚えておくことです。現在、妊活中で上記の薬を飲んでいるという男性は一度病院に相談すると良いでしょう。また、病院を受診した際や薬局で薬を購入する際、医師や薬剤師に子どもを希望している旨をきちんと伝えておけば、事前にリスクを避けることができて安心です。

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