男性不妊と寝不足

一般に子どもを希望する世代の男性は働き盛りで、残業なんて当たり前、朝早くから夜遅くまでバリバリ仕事をしているという方も多いことと思います。また仕事柄、夜勤があって昼夜逆転の生活をしているという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。そんな男性の皆さんが抱える健康問題の一つが「睡眠不足」です。睡眠不足は自己管理の問題と軽視されがちですが、近年では“睡眠負債”というキーワードが注目されているように、寝不足の状態が借金のように積み重なって心身に様々なリスクを招く恐れがあると言われています。
睡眠不足は男性の妊娠力にも影響するのでしょうか。睡眠と男性不妊の関係についてご紹介します。

寝不足が精子の質と数を低下させる

男性不妊か否かを判断するための精液検査は結果が良好だった場合、一回で済むこともありますが、基本的には正しく診断するために2~3回の検査を実施すべきだと言われています。それは特に不妊の原因がなかった場合であっても、コンディションによって精液の状態が大きく変動するからです。そして精液の状態を変動させる要因の一つとして、寝不足が指摘されています。
また、寝不足と男性の生殖機能の関係については以下のような研究結果も報告されています。

●デンマークにて953名の男性を対象に、睡眠の質と精液検査の結果との関連性を調べたところ、睡眠の質が悪かった男性は睡眠の質が良かった男性に比べて精子濃度が29%低いことが分かっています。また、正常精子形態率も1.6%低かったことが報告されています。
●アメリカ生殖医学会の年次学会において、男性の1日の睡眠時間が6時間未満であった場合、パートナーの妊娠率が43%低下するという研究結果が報告されています。

睡眠と男性不妊の関係についてはまだはっきりと解明されていないものの、寝不足が男性の精子の質や数を低下させて“授かりにくい状態”を作ってしまう可能性があると考える専門家は多いようです。

寝溜め・寝過ぎも男性不妊の一因に

寝不足は精子の質や数を低下させる要因になりますが、睡眠時間が多ければ多いほど精子の状態が良くなるというわけでもありません。前述の2つの研究では、寝不足により精子の質が低下したという研究結果と合わせて、寝過ぎによっても精子の質が低下したという研究結果が報告されています。
また、日頃の睡眠不足を解消すべく仕事のない休日に寝溜めをする男性も多いと思いますが、食事も取らずに1日中ダラダラと寝て過ごすことは体のリズムを乱して不調を招き、精子の質を低下させる要因になります。もちろん睡眠をとれる時にとっておくことは大切で、日頃睡眠不足の状態にあるのであれば休日にそれを補う必要があるでしょう。ただ、ダラダラと睡眠をとることは健康にも、精子のためにも好ましくありません。

働き盛りの男性の寝不足対策に「昼寝」

寝不足により精子の質が低下する恐れがあるとはいっても、仕事の都合や責任、収入といった理由からそう簡単にライフスタイルを変えることはできないものです。どうしても十分な睡眠時間を確保できないという男性も多いことでしょう。
そこで寝不足対策として一つご提案したいのが「昼寝」です。夜間の睡眠時間が少ないという方は日中の空き時間に昼寝を取り入れてみてはいかがでしょうか。そんな時間はない、横になる場所がないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご自宅での就寝時のように布団に入って何時間も眠らなくてはならないわけではありません。座った状態や机に伏せた状態で10分、20分ほどで良いのです。昼寝には通常の睡眠の約3倍ほどの疲労回復効果があり、日頃の寝不足解消にも大いに役立ちます。

寝溜めするなら「いつもの時間に起きて」

日頃の睡眠不足を休日に補う方は多いものですが、寝溜めと称して時間が許す限りダラダラ眠るのはお勧めできません。体のリズムが崩れて、かえって疲れが溜まったり次の日に強い眠気を感じたりするようになります。
休日に睡眠時間を補うのであれば、いつもと同じ時間に起床して食事をとり、体内時計を動かした後に二度寝や昼寝をすると良いでしょう。どうしてもゆっくり眠りたいという方はいつもの起床時間から遅くとも2時間以内までに起きるように。2時間程度ではあればさほど体のリズムは崩れないと言われています。

睡眠時間が少ない方は睡眠の質の向上を

睡眠時間を増やすことが難しいという男性は、睡眠の質を高める工夫をしてみましょう。通常、就寝中は深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)を繰り返しており、最初にやってくるノンレム睡眠は睡眠の中でも最も深い眠りだと言われています。この最初に訪れるノンレム睡眠をしっかりと深く眠ることによって睡眠の質は向上し、コンディションを高めることができると考えられているのです。
より深いノンレム睡眠を得るためのポイントは就寝前のちょっとした習慣にあります。まずは入浴です。お風呂は就寝の90分前を目安に入るようにしましょう。そうすることによって、ベッドに入る頃には深部体温が下がり、深い眠りにつくことができます。また、眠る前のスマホ・パソコン操作や激しい運動はNGです。脳が能動的になって深い眠りを得難くなります。少し退屈に感じるくらいのリラックス状態を作り出すようにすると良いでしょう。

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