男性不妊の原因「OAT症候群」とは

不妊治療を受けたり、不妊の情報を調べたりしていると、難しい専門用語に出会うことも多々あると思います。男性不妊の原因である「OAT症候群」という言葉もその一つです。男性不妊のほとんどはこのOAT症候群だと言われています。

OAT症候群とは

不妊の原因を突き止めるためにまず男性が受けなければいけない検査といえば「精液検査」です。精液検査では採取した精液から精子の状態を調べ、WHO(世界保健機関)が定める基準値より数が低ければ「乏精子症」、運動率が低ければ「精子無力症」、奇形率が高ければ「精子奇形症」と診断されます。しかし実際には、数だけ低い、運動率だけ低いということは少なく、いずれか1つの数値が基準値に達していない場合、他の2つも基準値に達していないことが多いと言われています。そのため、数・運動率・奇形率の全てが基準値に達していない場合に、Oligozoospermia(=乏精子症)、Asthenozoospermia(=精子無力症)、Teratozoospermia(=精子奇形症)、それぞれの頭文字をとって「OAT症候群」と呼んでいます。

OAT症候群の原因のひとつ「精索静脈瘤」

OAT症候群の約30~40%は「精索静脈瘤」によるものだと言われています。精索静脈瘤は陰囊の静脈が怒張して瘤状に膨らんだ状態です。精巣内の血流障害によって精巣の温度が上昇し、精子の形成にも悪影響を及ぼすと考えられています。
精索静脈瘤には3つの段階があり、グレード1の小さな段階では目立った症状もなく検査を受けなければ確認できませんが、グレード2、グレード3の段階になると、セルフチェックで分かることもあるようです。子どもを希望している男性はぜひ一度、セルフチェックしてみましょう。

<精索静脈瘤のセルフチェック>
□左右の陰嚢の大きさや感触が違う
□陰嚢表面が凸凹している
□長時間椅子に座っていると陰嚢が痛む
□足を組み替えた時に陰嚢が痛む

精索静脈瘤の半数は手術で精液所見が改善

精索静脈瘤が原因によるOAT症候群では、その約半数が精索静脈瘤の外科手術によって改善が期待できます。ただし、グレード1のケースにおいては手術しても精液所見の改善効果がほとんど見られないケースが多く、OAT症候群の原因が他にある可能性も考えられることからあまり手術を推奨されていません。多くのクリニックではグレード2以上の精索静脈瘤を手術対象としています。
また、精索静脈瘤の手術後、精液の状態が回復するまでの期間には個人差があり、最短でも3ヶ月、半年から1年ほどかかる場合もあります。そのため、できるだけ早く妊娠を希望する場合や女性側の原因によっては、精液所見の改善にこだわらず体外受精や顕微授精を並行して行う場合もあるでしょう。

OAT症候群は原因が分からないことも

OAT症候群の多くは原因不明だと言われています。この場合の治療法としては、まず漢方やビタミン剤、サプリメントなどを服用しながら、たばこ・睡眠・運動などの生活習慣や食事内容の改善を試みることになるでしょう。そしてタイミング療法(最も妊娠しやすいタイミングをアドバイスしてもらいながら性交を行う方法)を行いながら様子を見て、結果につながらなかった場合、あるいは男性の精液所見の改善が見られない場合は人工授精や体外受精、顕微授精といった次のステップに進むことになるでしょう。女性の年齢によってはもっと早い段階で高度医療に踏み切ることもあります。

OAT症候群対策として自分で取り組めること

前述の通り、原因が分からないことも多いOAT症候群では、少しでも精巣機能を高めるため健康づくりに努めることもとても大切です。特に男性の精子の状態はストレスや疲労などの蓄積度によって大きく異なってきます。病院治療だけに頼らず、ご自身でも妊娠力の向上に取り組んでみましょう。禁煙をはじめ、栄養バランスの改善、十分な睡眠時間の確保、生活リズムの改善、ストレスの解消など、妊娠力向上のためにできることはたくさんあります。肥満傾向にある方は少しダイエットしてみるのも良いでしょう。もちろん全てを一度に実践するのはなかなか難しいと思いますので、まずはどれか一つ選んで実践してみてはいかがでしょうか。

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