精子についての基礎知識

「赤ちゃんが欲しいけれど、なかなか授からない」という状況を乗り越える上で、不妊という症状や不妊治療、生殖補助医療などについて正しく知ることはとても大切ですが、そもそも妊娠とはどういうものであるかについて理解を深めることも同じくらい大切です。妊娠成立までのプロセスは決して単純で容易なものではありません。奇跡につぐ奇跡によって起こる神秘的で尊い出来事、それが妊娠なのです。
世の中には、赤ちゃんが授かず悩んでいるご夫婦がたくさんいらっしゃる一方で、特に苦労することなくすぐに授かったというご夫婦もたくさんいらっしゃいます。赤ちゃんを授かるため色々頑張っているご夫婦からすれば、どうして自分達だけ…と歯がゆく思わずにはいられないことでしょう。ですが、そもそも妊娠という出来事が非常に難しく複雑なプロセスの上に成り立つものであるということを理解すれば、少しだけ気長に妊娠を待つことができるかもしれません。
このページでは、妊娠という出来事をより理解するためのファーストステップとして、精子についての様々な知識をご紹介します。精子について正しく知ることで、妊娠が成立することの難しさ、奇跡と呼ばれる由縁についてもきっとご理解いただけるはずです。

精子は精巣で3ヶ月かけてつくられている

今射出された精子は今し方つくられたもののように思いますが、実はそうではありません。精子は睾丸の中にある精巣で作られていますが、最初は細胞の状態で、時間をかけて少しずつ成長していき、やがて皆さんがよく知るあのオタマジャクシのような形をした精子になります。その間、約3ヶ月。3ヶ月という長い期間をかけて精子は作られているのです。
ということは、今射出された精子には3ヶ月前からの健康状態が大きく関係していると考えられます。ですから、性交渉のタイミングの数日前だけ健康に留意するというのは、精子産生のメカニズムから考えるとあまり効果は期待できません。良い精子の状態でタイミングをとりたいのであれば、3ヶ月以上前からの健康づくり、つまり常日頃からコツコツ精子にいい生活を心掛ける必要があるのです。

精子が卵子と出会うまでの道のりはとても険しい

女性の膣内に射出された数千万から数億匹の精子は卵管へ向かって一心不乱に進んでいきます。しかし、女性の膣内は強い酸性に保たれていて、酸に弱い精子にとっては非常に厳しい環境です。その多くが死滅してしまい、運良く生き残ったものだけがその奥へと進むことができます。ところが、精子を阻むものはそれだけではありません。抗体や白血球などに異物と見なされ攻撃されて、更にその数を減らしてしまいます。なんでも最終的に卵子を待つ卵管膨大部に到達できるのは、数十から数百匹の精子だけだそうです。そして、ようやく卵子と結合の時…。ここで最後の試練が待っています。1番乗りの精子が卵子を覆う透明帯を突抜け、結合した途端、透明帯が変質して他の精子の侵入をシャットアウトしてしまうのです。
このように受精は精子が幾度もの試練を乗り越えた上でようやく成立しています。精子と卵子の出会いはまさに奇跡であり、そもそも妊娠はそう簡単には成立しないものなのです。

精子の寿命はだいたい3日程度ととても短い

一般に、精子の寿命は2、3日程度、長い場合でも一週間程度といわれています。ただし、一週間近くも生存するような精子は非常に生命力が強い精子であり、ケースとしてそう多くはありません。約3ヶ月もかけて作られる精子ですが、その寿命は非常に短く、赤ちゃんを授かるためには女性の排卵日にきっちり合わせて性交渉をおこなう必要があるといえるでしょう。

精子の質を良好に保つためには定期的に射出した方がよい

精子の量や運動性を高めるために禁欲期間を長くとる方がいらっしゃいますが、長過ぎると逆に精子の質が低下するといわれています。溜めるより定期的に射精する方が精子に良いとする説の方が圧倒的に多いので、妊娠のためだけでなく、夫婦のコミュニケーションとしてもしばしば性交渉の機会を持つようにしたいものです。

精子の質を低下させてしまう恐れがあるものとは

精子は非常にデリケートで、様々な生活習慣の問題によって、数や運動率が下がったり、奇形率が上がったりするといわれています。次の項目は精子に悪影響を及ぼすといわれているので注意しましょう。

■喫煙
たばこにより精子の数や運動率が低下したという研究データは多数報告されています。発ガンリスクを高めたり、呼吸器疾患を招いたりと健康上も決して良いものではありません。
■過度のストレス・疲労
過度のストレスや疲労はホルモン分泌を妨げたり、心身のコンディションを低下させたりして、精子にも悪影響を及ぼすと考えられています。
■
精子は熱に弱いという性質を持っています。そのため、例えば下着にこもった熱や膝上のパソコンから伝わる熱、高温サウナなどは精子の質を低下させる恐れがあるといわれています。
■アルコール
アルコールのとり過ぎによりアセトアルデヒドという毒性物質が体内で増え、精巣の働きを弱めたり、男性ホルモンの分泌を妨げたりすることが指摘されています。
■不健康な生活
精子の質は心身の健康状態とリンクしています。ですから、偏食・睡眠不足・生活リズムの乱れなど不健康な生活が続いているとやはり精子の質も悪くなってしまいます。

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